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【活動報告】心を落ち着けるセルフケアのご紹介
講演・監修・執筆

先日(2026年3月15日)、私(院長:手塚)が所属する鍼灸の研究会「新医協鍼灸部会」にて、研究発表「心を落ち着けて治療をする方法 ~『天台小止観』に学ぶ、心の乱れの調え方~」という講演を行いました。
今回、初めて『天台小止観(てんだいしょうしかん)』という文献を読み込みましたが、現代の私たちが心の健康に役立つヒントが載った、非常に素晴らしい内容でした。
講演自体はプロの鍼灸師向けですが、一般の方のセルフケアにも役立つエッセンスを凝縮してご報告します。
◆『天台小止観』とは
天台大師 智顗(ちぎ)によって約1500年前に書かれた、坐禅の入門書です。単なる精神論ではなく、「心を調えるためには、まず身体を調えることが不可欠である」とう言葉を説いている点が特徴的です。
日々の生活の質を高めることができるのではないかと思い、今回のテーマに選びました。

◆日常生活から準備する
自分の心がいつも落ち着いた状態でいるためには、まず日常生活を調えることの重要性を説いています。特に5つのこと(五法)を調えることが大事で
一は飲食、二は睡眠 三は身体、 四は呼吸、五は心 の5つを調えるのです。
暴飲暴食や、逆に食べなさすぎに注意する
体に悪い物を控える
寝すぎに注意する
そして、身体と呼吸と心は繋がっていると考え
普段から動作・所作を丁寧にする、
そうすることで呼吸はおのずと調い、
そうすることで、心も安定すると説きます。
心だけ安定させようとしても、身体の調子が悪かったら心を調えることはできません。
また、普段の行動が荒い人、せかせかしている人は、いざ心を落ち着けなきゃいけない時にも、普段のくせが出てしまい、心を落ち着けることができません。
普段から落ち着いた行動をすること、そうすれば自然に呼吸もと調い、それに伴って心が調うからこそ、ストレスなことがあったとしても、心が乱れないのです。
◆心の沈んでしまった時の対処法

『天台小止観』には以下のように書かれています。
「心の中がどんよりと暗く、意識がはっきりせず、頭ががっくりと垂れ下がってしまうなら、それが「沈相」です。その時は、意識の焦点を鼻の先に置きなさい。心をその一点に留め、注意が散漫にならないようにすることで、この沈みを治すことができます。(心中昏暗、無所記録、頭好低垂、是為沈相。爾時当係念鼻端、令心住在縁中、無分散意、此可治沈。)」※手塚意訳
東洋思想、特に東洋医学では、身体の中に気が流れていると考え、気のめぐりが良いと健康と考えています。
心の健康も同じで、気のめぐと関係していると考えます。
心が沈んでいる時は、気も下の方に下がっているのです。
そのような時に、セルフケアで立ち直るには、意識の力を使って気を上にあげる必要があります。
その方法の一つが、鼻先に意識を集中することです。
鼻先に意識を集中すると、自然と姿勢も良くなり、鼻高々な気持ち、気分も上がってきます。
◆心が浮あついてしまった時の対処法

「心がふわふわと落ち着かず、体もソワソワして、修行とは関係のない外の物事ばかり考えてしまうなら、それが「浮相」です。その時は、意識を下に下げ、おへそのあたりに意識を集中させて、諸々の乱れた雑念を抑えるのがよいでしょう。そうすれば心は落ち着き、静まりやすくなります。(心好飄動、身亦不安、念外異緣、此是浮相。爾時、宜安心向下、係緑臍中、制諸乱念、心則定住、此則心易安静。)」※手塚意訳
心も身体もふわふわして、落ち着きがない時には、おへそのあたりに意識を集中させます。
気が上に上がってしまったのを降ろしてくれます。

◆鍼灸治療でのアプローチは?
鍼灸治療は、鍼やお灸をした場所に「気」を集める、あるいは巡らせる力があります。・精神的に落ち込んだ時: 上半身や頭部のツボを刺激し、気を引き上げます。
・精神的に浮ついた時: 下腹部や足元のツボを重点的に治療し、気を落ち着かせます。
うつ症状や、病気とまではいかなくても「なんとなく気分が晴れない」「不安でソワソワする」といった悩みに対し、身体の巡りを整えることで心へのアプローチが可能です。
当院(表参道自然なからだ)では、お一人おひとりの心の状態にも寄り添い、身体と心の双方から回復を目指す治療を行っております。
季節の変わり目、なんとなく心のバランスが取りにくいと感じる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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